legend ej の繧繝彩色な「物語」: 夏 ラベンダーの花咲く季節/南仏プロヴァンス地方・セナンク修道院

2015年7月5日日曜日

夏 ラベンダーの花咲く季節/南仏プロヴァンス地方・セナンク修道院

夏7月の初旬、南フランス・プロヴァンス地方、人里離れたヴォークリーズ山地のセナンコル渓谷に佇む、セナンク修道院 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque の入口にあたる北側の谷間に沿って、満開の花を付けた広いラベンダー畑が訪れる人を迎える。
シトー修道会系譜・セナンク修道院の名を有名にしているのは、人々に「プロヴァンス三姉妹」と華やぎの比喩で呼ばれる所以もさることながら、遠くに12世紀起源の歴史を秘めた中世修道院を配置して、その手前には地中海沿岸が原産のラベンダーの色鮮やかな花を展開させるあまりに出来過ぎた構図、この絵ハガキ的な美しいシーンに人々が魅了されることにある。

セナンク修道院と満開のラベンダー畑 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque 塞南克修道院
セナンク修道院/満開のラベンダー畑
セナンク修道院とラベンダー l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque 塞南克修道院
セナンク修道院とラベンダー
等間隔に植えられたシソ科の常緑樹ラベンダーの丸みを帯びた長い山形畝(うね)は最長で380mに伸び、色彩こそ違うが、ブータンや中国四川省などの高地に生息する誰もが親しみを覚える愛嬌顔のレッサーパンダの長いフサフサな尾を連想させる。
そのラベンダーの並び畝(うね)の上辺がエアーブラシの微粒子吹付け塗装で色付けされたように濃厚な青紫色、もっと正確に言えば、青紫色よりわずかに青い伝統和色の桔梗色(ききょういろ)に染まり、一気に咲き乱れる様は真夏のプロヴァンス地方を象徴するご自慢の風景である。
過言なく美し過ぎる」と言うほかに、7月初めに開演するラベンダーの花と「プロヴァンス三姉妹」の修道院の絶妙なコラボレーションを、一体どのような賛美の言葉で表現すれば良いのであろうか?と、悩むほどにあまりに美しい光景である。

しかし、このため息さえ伴うラベンダーと修道院が共演する「感動物語」は、一年中胸高まる鑑賞チケットが販売されているのではなく、ラベンダーの花が満開に咲き誇る7月初旬の2週間という短い期間のみに公演される。毎年、人々の思惑や強い希望とは無関係に自然の摂理に従って花は咲き、美しいが故にその命は短いことしきりと言える。
何れにしても、満開のラベンダーの紡ぐ桔梗色の絨毯(じゅうたん)が、セナンコルの深い渓谷を抜ける乾いたプロヴァンスの微風に揺らぐ真夏7月、この時こそが朱色の屋根の家々が連なる南フランスで夢を追う、憧憬のツーリスト的にはセナンク修道院のベストシーズンとなる。
そして、訪れる人の期待と満足感を裏切ることなく、セナンク修道院と純粋色に染め上げられたラベンダーの長い畝(うね)が見事な協奏曲を奏で、エクス・アン・プロヴァンス生まれのポスト印象派・セザンヌの絵画よりもさらに美しいプロヴァンス地方を代表する優しい世界をつくり出す。

ラベンダーの花咲くセナンク修道院

このあまりに美しいハーモニーを見てしまったなら、2,000万画素の最新型デジカメではなく、両手の親指と人差し指を連結させてつくる長方形の「指のフレーム」に、満開のラベンダーの花とセナンク修道院を入れて「心のシャッターボタン」を押すことができる。
そうすれば、生涯に一度有るか無いかの鮮やかな「人生の水彩画」を心に描けるはずである。プロヴァンスの眩しい夏の陽光に目を細め、心静かに眺める感動物語は、訪れる人の脳裏にはっきりと刻まれ決して色褪せることはないであろう。

セナンク修道院 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque 塞南克修道院
セナンク修道院・入口
セナンク修道院 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque 塞南克修道院
「プロヴァンス三姉妹」セナンク修道院
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プロヴァンス・リュベロン地方 地図
プロヴァンス・リュベロン地方/作図=Blog管理者legend ej
「フランスの最も美しい村」ゴルド Gordes 法国最美丽的村庄 戈尔德
「フランスの最も美しい村」ゴルド/プロヴァンス地方

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今日、たくさんのツーリストがセナンク修道院を訪れている。そのほとんどすべてのツーリストは、同時にセナンク修道院の「玄関口」でもある「フランスの最も美しい村」ゴルド Gordes(上写真)を訪ねる。
しかし事前に現地情報を得ることなく、気分高揚で訪れる急ぎ足ツーリストを含め、プロヴァンスの夏の陽光に映え、セナンク修道院を彩る桔梗色の「満開のラベンダー」の花咲くこの感動物語を観た人は決して多くはない。
交通アクセスの不便な場所、せっかく訪れたセナンク修道院なのに、気まぐれな南フランスの気候の変動があったのか、期待していたお目当てのラベンダーの花がまったく咲いていない不運、咲いてはいるが満開には程遠い二分咲きとか、諦め切れない未練のトルネードが心の中でグルグルと渦を巻く。
そうして夏が終わり、秋が始まる頃、日本のWebページでは、セナンク修道院の満開のラベンダーに遭遇できなかった残念さを記述、アップロードした無数の≪私の南フランス旅行≫の絵日記ブログを見かけることになる。

ことセナンク修道院においては、ツーリストが訪ねたその日が晴天であるか雷雨の天候か、ラベンダーが満開であるかどうかは、感動・感激の範疇では正に雲泥の差が生まれる。特にわずかなタイミングでラベンダーの満開に遭遇できない女性ツーリスト達にとっては、抱き続けてきた過剰期待が故に、その不運な落胆は大きく、結果、憧れのプロヴァンスの旅情は美化されずに一気にくすんだ色彩となる。
一縷(いちる)の望みも砕かれた・・・」の如く、「満開のはずなのに・・・」と隠し難いショックでがっかりするのは、どうも意地悪な気立てらしい南フランスの自然が、無情にも花の咲く時期を意図して操作しているからだろうか。セナンク修道院を訪れる日本の美しい女性ツーリスト達の日頃の行いが決して悪い訳ではないはずなのに・・・

ただ事実として、中世キリスト教修道院の歴史を解く洞察された澄明で真摯な精神、天候や気温など自然に大きく影響される花の摂理を理解した上で、訪れる時期を慧敏な予想で割り出し、さらに稀な偶然が重なり合った時、幸運なツーリストは「指のフレーム」を作り、「心のシャッターボタン」を押して、この美しき情景を脳裏に刻むことができる。
その時、ツーリストの「心の宝石箱」は溢れんばかりの美しい時の記憶と長く忘れることのない純真な歓悦で満たされる。これこそが人々の言う≪プロヴァンスの贈りもの≫なのかもしれない、と私には思えるのだが・・・

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プロヴァンス三姉妹・シルヴァカーヌ修道院 l'Abbaye de Silvacane
「プロヴァンス三姉妹」シルヴァカーヌ修道院

なお、同じく「プロヴァンス三姉妹」として有名なシルヴァカーヌ修道院(上写真)と並び、セナンク修道院は「聖ベネディクウスの戒律」を厳守、祈祷と清貧、厳しい労働、禁欲的な厳格規範を基本とするシトー修道会を代表する大修道院である。
特に円柱と角柱が明快で規則正しいリズムを刻む回廊を初め、天井高さ16mを誇る聖堂(教会堂)や石製ベンチの参事会室、東西長さ30mで常時30名を収容した尖頭アーチ型トンネルヴォールト天井の修道士寝室など、建物の外部と内装のすべてが修道士達の手による装飾を限りなく排除した12世紀ロマネスク様式で造られている(下写真)。
美しいラベンダー畑に憧憬する観光ツーリストのみならず、セナンク修道院は建築学や中世ヨーロッパ美術、キリスト教の歴史を探求する人達の「必見場所」の一つに挙げられる。

セナンク修道院・ロマネスク様式の回廊 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque 塞南克修道院
セナンク修道院・12世紀ロマネスク様式の回廊
セナンク修道院・ロマネスク様式の修道士寝室 l'Abbaye Notre-Dame de Sénanque
セナンク修道院・12世紀ロマネスク様式の修道士寝室
●関連Webサイト: 海外旅行1,200日・世界47か国 旅人legend ej の世界紀行・心に刻む遥かなる「時」
legend ej の世界紀行
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